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【 名ドライバー は あなた だ 】



お盆参りは 続いている。
ジジは 一軒の家の前まできて 入ることを逡巡している。

住職が 【花の 大観音】づくりを目指し、100人を越す ボランティアの方と
境内に 26000本の 芝桜を 植え あの 竜巻まがいの 大風で 吹き飛んでしまい
再チャレンジして 見事に 密厳国土を作ったことは すでに 申した。

その前に やはり 【花の 大観音】づくりを目指し、2000本の モミジを
植えてくださった 大社長が いた。
苦労人で 一代で 大会社を おこし、モミジにしても 他人任せの
【まるなげ】をするのでなく 自分が 自分の手で 1本づつ 植えたのだ。

大事件が 起こった。
26000本の 芝桜が 植わったとき、大社長の 【布施】の心を 踏み躙り
血と 汗と 涙の 象徴の モミジを 痛めてしまったのだ。
さあ 怒った !

長男の 現社長が 言う。
『あの 我慢ずよい 父が あれだけで怒るのだから 余程でしょう』
その 言葉が 頭に 残っている。
息を 吸い込んで 門を くぐる。

奥様が 出てこられた。
『奥さん このたびは …』
『まあまあ 法主猊下、遠いところを ありがとうございます』
謝罪する間もなく満面の笑みで 仏壇の間に 挙げて頂いた。

社長は まだのようだ。
ジジは 先に 拝むことにした。
拝み終って 振り返ると ジジの 真後ろに 社長が 座っていた。

『社長、この度は 本当に とんでもないことを しました』
『どんな 申し開きをしても お詫びの 言いようもございません』

ジジは 詫びながら そっと 社長の 心を みる。
『いやいや …』
言葉少なだが 思っていたより 柔和だ。

『法主猊下、まだ あの事を 引きずって おいでたのですか』
『わたしは、とっくの昔に 荷を 降ろしました』
『見てください。毎日が 楽しいですよ』

【囚われない 心】

『社長 ! 凄い お方ですね』
『言うのは 言い、思う事は 心で 思っても
なかなか 実行できる ことでは ありません。
頭が 下がります』

ジジは 平身低頭に 頭を 下げた。

『どうぞ、頭を お挙げください』
『こだわらない 心をもて と、言って聞かせたのは
法主猊下 あなたでは ありませんか 』

顔から 火がでた。
門を出て もう一度 お家を 振り返った。
同じことを 同じように 勉強して
【名ドライバー】は 社長、あなただ。
そして わたしは ハンドルを取っても 乗ることの出来ない
【ペーパードライバー】だ。

もう一度、深々と 頭を下げて 家を 去った。

合掌


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さすが

こんにちわ。ご自分の失敗談を素直にお話しできる人は素晴らしいとおもいます。なかなか、失敗は人に知られたくないものですのに。さすが、和尚様ですね。
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